ツベルクリン反応は、結核菌感染の有無を知る一つの検査法です。ただし、結核菌に感染したか、類似の非結核性抗酸菌に感染したか、BCG接種の影響であるかの区別は、ツベルクリン反応だけでは判断できません。より精度の高い検査にインターフェロンγ遊離試験(QFT・T-SPOT)があり、保険適用されています。
X線撮影では、白黒が反転して映ります。肺は空気が多いためX線を通しやすく全体に明るく(=黒く)映ります。この肺の中に暗く(=白く)映る影があれば、なんらかの異常があると考えられます。
喀痰検査とは、痰(たん)を調べる検査です。痰を染色して、顕微鏡で見ると、抗酸菌(結核菌とその類縁の菌)の有無がわかります。また、結核菌に特有の遺伝子を調べる方法もあります。さらに、痰の一部を培養して、菌の種類や薬が効くか(耐性)を見極めます。
結核に感染しても、健康で体力があれば、通常は免疫機能が働いて結核菌の増殖が抑えられます。ところが、栄養状態が悪かったり加齢とともに体力が衰えてきたりすると、免疫力が低下して発病することになります。
もしも、発病したとしても、「排菌」(咳(せき)や痰(たん)と共に結核菌が空気中に吐き出されること)していない場合は、他の人に感染させる心配はありませんので入院しなくても通院で治療ができます。治療の基本は服薬です。
ところが咳が治まったからといって治療の途中で薬をやめてしまうと、薬の効かない耐性菌になることがあります。必ず、医師の指示を守って服薬を続けてください。
自分自身の健康を守ることはもちろんのこと、家族や友人などへの感染を防ぐためにも、早期発見・早期治療が重要です。定期的に健診をきちんと受け、カゼかなと思う次のような症状が長く続くようなら、必ず診療を受けてください。
また、65歳以上の方などは法令に基づいた定期的な結核健診をきちんと受けることが大切です。